DD派遣学生による成果発表会を開催しました。
2020年3月24日(火)、キャンパス・アジア事業のダブル・ディグリープログラム(以降、DDプログラムと略記する。)に基づき、中国・山東大学へ1年間を派遣したDD学生2名による成果発表会を長崎大学で開催致しました。当初のスケジュールでは、京都大学や山口大学から外部評価委員及び中国・山東大学の指導教員らが参加する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、規模を縮小して本学内の教職員のみの参加で開催することになった次第です。
二人は、それぞれ日常の生活環境や大学での授業の様子、修士論文に関する研究活動・試問会、日本での就職活動、さらに長期留学に対する感想や改善点等の観点から成果を発表してくれました。特に、山東大学済南キャンパスに留学した大勝恵輔さんは、主に「最初の奨学金の支給日が遅く生活に困った」こと、「就職活動があるため費用がかさむ」こと、「同じ時期の試問会開催は負担が多いため、開催時期をずらしてほしい」こと、「事前の研究内容のすり合わせが必要である」こと等の意見が披露されました。また、山東大学青島キャンパスに留学した山嵜啓司さんは、「講義のシラバスをしっかりと作成して欲しい」こと、「研究室の器具や装置を使用するたびに先生の許可が必要で時間がかかった」こと、「英語で提供する授業科目をもう少し増やして欲しい」こと等の意見がありました。一方、「今回の長期留学は、大学院生活を充実させ、自分の中の知見を拡げてくれる良い機会であった。今後の人生においても、良い経験ができた」こと、「英語を駆使して問題を解決できるようになり、中国人の友達もたくさん作りました。自分の知らない世界を知ることができて留学に行かせてもらえて本当によかった」との嬉しいコメントがありました。
さらに、大勝君と山嵜君の指導教員の先生方からもご意見をお聞きすることが出来ました。すなわち、2年間の間に長期留学を一年間に渡って経験し、2編の修士論文を完成させ、さらに2回の試問会を受けることは、想像以上に大変なことです。また、単位互換がもう少し多くの単位数できるようになれば、参加する学生も多くなるものとコメントして頂きました。さらに、就職活動の為に日本に戻ることがあり、修士論文に関する研究活動と就職活動の両立は学生にとってハードルが高かったのではないかとの意見もありました。DD制度による長期留学は、学生にとってメリットがあるように改善されていければとも話してくれました。
上述の様に、DDプログラムは短期留学やサマースクールとは異なり、単位の読替や、2編の修士論文を完成するための研究指導や研究活動、合間に日本での就職活動も気になります。言葉も、食文化も習慣も日本と大きく異なる生活スタイルとなり、その大変さが十分伺えます。しかしながら、何事も困難を乗り越えてこそ学生の成長に繋がるものと思います。皆様からの貴重なご意見を真摯に受け止め、改善すべき点については、相手大学とも協議を緊密に行い、当該事業の内容が学生にとってより良いものになるよう、今後も引き続き改善に取り組んでいく所存です。